心地の話。

カフェに流れる空気は「お店の人」と「お客さん」 

ふたつのものでできている。



なんて、あらためて感じる。




「そんなの当たり前じゃん!今さら何言ってんの!」

って言われるのかもしれないけど。

ごめんなさい(笑)

でもそれも、カフェっぽいなって、ふと思ったの。




「お店行って何してるんですか?」ってよく聞かれる。

正直、何もしてない(笑)

ここだけの話、実は本を読むのはちょっと苦手。

カッコつけて、読んでるフリしてることもあるけど

いやいや、ちゃんと読んでることもあるけど。

本を読むためにカフェに行く、なんてことはほとんどないし

考えごとをしに、とか

何か目的をもっていくことってあんまりなくて。

あえて言うなれば


「ただ、いる」


ことをしている。

たまたまその場所に、気になる本や雑誌があれば手にする。

することがなにもなければ、ほんと、なにもしない。

ありがちな

人間観察が趣味です、とか

お店の中を隅からすみで品定め……

なんてことも、ない。



それでも、自然と長居したくなる場所って、ある。

よっぽど好みが自分に合ってるか、もしくは

すごく「心地いい」んだと思う。



もぐもぐとひとしきりスコーンを頬張り終わって

「世は満足じゃー」って余韻にひたりながら

ゆっくり珈琲を味わう。



いろんなものが見えてくる。

いろんな音が聞こえてくる。



その"心地"の中に「ただ、いる」。

それだけ。



カフェの人と、お客さんの関係って、すごく不思議。

おいしいお菓子やごはん、珈琲でおもてなししてくれるのは

間違いなく、カフェの人。

アンティーク家具だったり、古民家だったり

おしゃれな装いの場所を整えてくれるのも

間違いなく、カフェの人。


はじめはそんなカフェの人の主張に惹かれて、わたしたちは店に向かう。

"いい空間"を作ってくれているのは、確かにカフェの人。

なのだけど

最後の最後に、"心地"を仕上げるのはきっと

わたしたち、お客さんだと思うの。





「心安らぐ居心地いい空間になれ〜〜!!」




って、いくら店主が必死こいて念じたところで

確実にそうなるものでもないじゃない?(笑)

カフェの人は、自分が思い描く"理想の心地"を作り上げるための

要素をたくさんたくさん準備してくれて

材料とレシピをバッチリ揃えてくれている。

いかに魅力的なものに仕上げるかは、それを受け取ったわたしたち。



カフェってきっと、お客さんも一緒につくるもの。




カフェの人に、好みや熱い思いがあるように

お客さんにもそれぞれ好みや楽しみ方がある。

ふたつがピッタリ重なって共鳴すると、言葉で言い表せないほど

なんとも心地いい"気"みたいなものが生まれる。


どうやら心地って、伝染するみたいだから。

何かが噛み合わなくて不協和音が生まれてしまうと

意外と周りにも伝わっちゃう。


好みや趣味が完璧に一緒じゃなくても

ただ「珈琲がおいしいなあ」とか「あの一言嬉しかったな」とか

そのお店の価値観を、素直に受け入れる。

みんなが、そんな風にお店を楽しんでいると

極端な話、全く趣味嗜好の違うお店でも

すごくすごく心地いいな、って感じる。

いい"気"、で、包みこまれるから。



わたし自身も、あなた自身も

他のお客さんにとって、カフェの心地を作り上げている一部。



だったらみんな「心地いい」のがいちばん幸せ。

あなたも、わたしも、カフェの人も。

粉のカタマリ。

スコーンってほんと自由。 つくり手が「スコーン」と名付けてしまえば それがパンのようにふかふかであろうと クッキーのようにサクサクのぺったんこであろうと それは「スコーン」以外のなにものでもなくなるんだもの。 千差万別。 個性あふれる不思議な不思議な"粉のカタマリ"。 そこに込められた、店主のメッセージを 感じたい、伝えたい。

RIN

スコーンの人。
カフェエッセイの制作、ちょこっとライターもやってます。
スコーン求めて全国カフェ行脚。
ザクザク茶色い焼菓子とおいしいカレーが好き。