イートインの話。



「りんさんと言えばスコーンですよね」

そんな言葉が実は密かにとってもとっても嬉しかったりする。



スコーンが好き。


単なる粉のカタマリで

そもそもつくり手によって千差万別だから

スコーンのなにが好きと言われると

一概に答えられないのだけど。



まるでつくり手を表す"鏡"のような気がして

違いに出会えるのが楽しくて

とにかく「スコーン」という名前のつくものに惹かれる。




そんな不思議なたべものに出会わせてくれたのが

今はなき、とある恵比寿のカフェ。

だからこそ、カフェで食べるスコーンが好き。



そう、あくまでお店で食べたい。

実はそれは、ちょっと譲れない、自分の小さな信念だったりする。

(というほどかっこいいものでもないけれど)



テイクアウトでも通販でもおいしいスコーンはたくさんある。

お菓子屋さん、パン屋さん、ケーキ屋さん、専門店……。

おいしいと教えてもらったお店に行くのももちろん大好きで

いつもすごくワクワクする。




それでも、やっぱり

「カフェ」という場、で楽しむことに

実は、割と、強く、こだわりを持っている。





スコーンという粉のカタマリは、個性のカタマリ。

最初にそんな話をちょっとだけしたけど。



「カフェ」という場で食べたい理由のひとつは

そのままでも何百万通りもある粉のカタマリに


何が添えられてくるか

どれくらい温められて(もしくは温めずに)

どんな器に

どんなふうに盛られて出してくれるのか


そこにも、店主のメッセージがこめられていると思うから。




生クリーム?本場はクロテッドクリームでしょ。

ジャムは欠かせないけど、何気にあんこもいいよね。

それともはちみつにする?メープルシロップって手もあるな。

断然こんがり焼く派!

いやいやそのままポソポソ食べるのがおいしいよ!




カフェで食べるスコーンは、

店主が「おいしい」「こう食べてほしい」と願う

最高の状態で食べられる。

それって、なによりも贅沢。




そして、それも個性で

表現方法のひとつじゃないのかな。




もちろんおいしいスコーンだと嬉しい。

でも、美食としてのおいしいスコーンを求めているわけじゃない。



カフェで食べるスコーンは

五感ぜんぶで

店主のメッセージを感じることができる。

店主の「好き」がつまってる気がする。



インテリアや盛られくる器

BGM、店主の声色

お菓子が焼ける香りにコーヒーの香り

スコーンの温かさ

そしてその場所に集まるお客さん……。



ぜんぶが

目の前にある「スコーン」のおいしさを変える。



その居心地やそのときの感じる気持ち次第で

何倍にも何十倍にもおいしくなる気がする。



不思議だよね。

ヒトが好きになると、そのヒトの作り出すものには

特別な感情を抱くようになる。





テイクアウトのお店も、通販のお店も

それは、その作り手さんのメッセージで

そこにもちゃんと意味がある。

全国の人においしさや感動を届けたい、とか、

毎日気軽におうちで食べて欲しい、とか。



カフェであってもそうでなくても

そんなメッセージ感じとれるってステキだなと思う。

気づくことができれば、

もっともっとお店やお菓子、ヒトが好きになると思う。




ぜんぶはわからないかもしれないけれど

間違うこともあるかもしれないけれど

ほんの一部だけでも、

そんな思いを感じられるような人でありたい。

粉のカタマリ。

スコーンってほんと自由。 つくり手が「スコーン」と名付けてしまえば それがパンのようにふかふかであろうと クッキーのようにサクサクのぺったんこであろうと それは「スコーン」以外のなにものでもなくなるんだもの。 千差万別。 個性あふれる不思議な不思議な"粉のカタマリ"。 そこに込められた、店主のメッセージを 感じたい、伝えたい。

RIN

スコーンの人。
カフェエッセイの制作、ちょこっとライターもやってます。
スコーン求めて全国カフェ行脚。
ザクザク茶色い焼菓子とおいしいカレーが好き。