メニューの話。


カフェのメニューは、

すごくわかりやすい、メッセージだと思っている。



とにもかくにも珈琲好きの店主のお店なら

産地だけではなく農園や焙煎まで選び抜かれた豆の名前と

珈琲を楽しむためだけのスイーツが並んでいるかもしれない。



お菓子作りが得意な店主のお店なら

店内でもテイクアウトでも利用できる

自慢の手作りお菓子がたくさん並んでいるのかな。



はたまた、どう見ても

メニューにはなんのこだわりも感じられない

出来合いのものだけを並べているお店であっても

たとえば本を読んだり、音楽を聴いたり

「味」ではなく「時間」を楽しんでほしい

そんな思いがこめられてるんじゃないかな。



もちろんメニューだけじゃない。

外観・内装・BGM・接客…すべてがお店からのメッセージ。

週替わりでメニューが変わるお店もあれば、

まったく変わらないお店もある。

それも、すべて、店主の意思や思いの表れ。




でも実際は、なかなかそのことに気づけない。


「話題の新しいお店に行きたい」

「かわいいスイーツを食べたい」


ほとんどの場合がそれ以上でもそれ以下でもなくて

それが満たされた瞬間に、すべてが終わってしまう。



メッセージであるはずのメニュー表も

店主の思いがつまったお菓子や空間も

悲しきかな、単なる「物体」に変わる瞬間。



かわいいお菓子やキラキラなお料理はいつだってみんなのアイドル。

見た目だって大事なメッセージの表現のひとつで

おいしさの大事な大事な要素だもの。

それってとってもとってもステキなこと。



キラキラ輝いてなくたっておなじ。

わたしみたいに粉のカタマリが好きな人間は

茶色い粉のお菓子に、ウキウキ、ドキドキする。

正直、テンションめちゃくちゃあがる(笑)

だから華やかであるか地味であるかは本質じゃなくて。



メニュー表に隠れたお店からのメッセージ



ちょっとだけでいいから、そんなものを探してみるのもいいんじゃないかな。

(文字だからほんとはまったくもって隠れてないのだけど)



今、そのとき、ここにあるもので

お店は何を伝えたいと思っているのか

どんな時間を過ごしてほしいと思っているのか

ひとつでもいいから、感じようとしてみる。



いっそのこと堂々と張り紙でもして

「うちは○○な店です!」とか

「うちは今、○○な気分です!」

なんて書いてくれればわかりやすいものの(笑)

もしかして店主はみんなシャイなのかしら。

メニューひとつ、BGMひとつ、壁紙ひとつ……

実はひっそり自己アピールしてくれてるんだと思う。



どんな小さなことでも、そのメッセージに共感できたとき

きっと、わたしたちはお店と両想いの関係になれる。

正解とか間違いとかは、ない。

なんか好き。なんかいいな。

それだけで、たぶん、じゅうぶん。



メニュー表は、お店からの、小さな小さなメッセージ。

目の前の情報だけに心を奪われすぎると

ほんとに大事なものを見過ごしてしまうから

ちょっとだけ、あと1枚だけでいいから

パラリとめくって、隠された思いを探してみない?

粉のカタマリ。

スコーンってほんと自由。 つくり手が「スコーン」と名付けてしまえば それがパンのようにふかふかであろうと クッキーのようにサクサクのぺったんこであろうと それは「スコーン」以外のなにものでもなくなるんだもの。 千差万別。 個性あふれる不思議な不思議な"粉のカタマリ"。 そこに込められた、店主のメッセージを 感じたい、伝えたい。

RIN

スコーンの人。
カフェエッセイの制作、ちょこっとライターもやってます。
スコーン求めて全国カフェ行脚。
ザクザク茶色い焼菓子とおいしいカレーが好き。